高津クリニック(こうづクリニック)麻布十番の内科・産業医 診療内容のページー訪問診療や予防接種もー

内科・訪問診療 各種保険取扱

  • Switch to English version
  • 日本語版で表示中

あぶらについて

あぶらについて

油と健康については20年以上前から関心が持たれ、どんどん新しいことがわかってきています。以前は体に良いとされていた油に、実は危険性がひそんでいたり。。。
最近話題の油の危険性についてお話いたします。

それぞれについてお話しする前に、まず油の種類について整理します。
油脂は種類によって酸化のされやすいものと、酸化されにくいものがあります。

油脂の種類 酸化について 主な油脂の種類
・リノレン酸 酸化されやすい 亜麻仁油、えごま油、しそ油、魚油(DHA/EPA)
・リノール酸 酸化されやすい サラダ油(大豆油・綿実油・キャノーラ油等)
・オレイン酸 酸化されにくい オリーブ油
・動物性脂肪 酸化されにくい バター、ラードなど

どのような危険性が分かってきたかというと、

●酸化によってできる有害物質(活性酸素、過酸化脂質)
油は加熱(揚げ物に使う)・光(日光にさらす)・酸素(空気に長く触れさせる)ことで酸化され、一部が活性酸素・過酸化脂質という有害物質に変化します。いずれも細胞にダメージを与え、体内の抗酸化物質を浪費します。すぐに症状に表れるものではありませんが、長期に多量に摂取しているとダメージが蓄積され、老化が進んだり、癌や動脈硬化のリスクが上がると言われています。

●高温精製する際に出来る神経有害物質(ヒドロキシノネナール)
植物油は工業的に高温精製する際に一部がヒドロキシノネナールという神経毒に変化し、認知機能に影響を与える可能性があると言われています。

●植物油やマーガリン・ショートニングを作る際に出来る有害脂肪酸(トランス脂肪酸)
心臓病や動脈硬化のリスクを高め、体に良くないと話題になりました。ショートニングは市販のクッキー、スナック菓子、大量生産のケーキ類に使用され、1980年代以降消費量が増えています。

●リノール酸過剰の問題
日本のリノール酸(サラダ油)は1950年代から1980年代にかけて使用量が大幅に増加し、リノレン酸(えごま油・魚油その他)に比べてリノール酸過剰に偏っています。リノール酸が代謝されたものはアレルギー反応や炎症反応の原材料となり、長期の過剰摂取はアレルギー疾患や動脈硬化を引き起こすと言われています。リノレン酸(えごま油・魚油その他)はこれに対するブレーキとして働きます。

日常生活で気をつけたほうがよいこと

お話した有害物質は、どんな食事内容にどれだけ含まれていて、それをどのくらい食べれば何倍病気になりやすいのか、などの詳しいことは分かっていません。心臓病、脳梗塞、癌、認知症などのリスクになることは分かっていますが、いずれの病気も他にもリスクファクターがあり、油の有害物質だけの問題ではありません。
とはいえ、気をつけるに越したことは無い。のではないかなー、と考えます。

・酸化の問題。
揚げ物は控える。加熱料理は低温、短時間。高温調理なら出来ればオリーブ油・動物性脂肪を使う。
油は冷蔵庫で保管する。黒いビンに入ったものを選ぶ、もしくはビンにアルミホイルを巻く。
油は少量ずつ購入し早く使い切る。マヨネーズ・ドレッシングも早く使い切る。

・製造工程の有害物質
低温圧搾で作られた油を使う。マーガリン、スナック菓子は控える。

・リノール酸摂りすぎ問題
サラダ油をなるべく減らし、可能なら亜麻仁油、えごま油などを使う。ただし酸化に弱いので、揚げ物は避ける。
魚(DHA/EPA)を食べる。

普段の食生活で少し心に留めていただければと思います。